タイトル | : 6-A3-12 腐臭の中で |
投稿日 | : 2015/07/09(Thu) 18:13:21 |
投稿者 | : 魔音@GM |
参照先 | : |
> 「しくじったな、こいつの黒幕を聞き出さなかったわ」
「そうでもない。アンタは、十分に辿れたよ。
親父たちをアイシスの野郎に売ったって、アルバは言ったしね。
それに、アコニの仇につながったんだから、上々よ」
> 「ま、あいつらの誰かが突き止めてるだろ」
「きっとそうね」
デイジーは、ミハイの後ろでそっと言った。
> 「臭えなあオイ。
> ロクなもんもなさそうだし、ここはこれで仕舞いかね」
> 「よしデイジー。
> とりあえずこの連中が出てきた道を探るぜ。
> その後オイラをぶっ殺すなりなんなりすりゃあいいんじゃねえか」
そのとき、とんとミハイの背中になにかが当たった。
「アンタの臭いよかマシ」
デイジーの額がぶつかってきたのだった。
それは1分もなかったけれど、言葉の後でミハイの服の裾が引っ張られる感触があり、ひとしきりの沈黙と、背中に伝わる震えと、涙と溜息の温かな感触と、鼻を啜る音が続いた。
やがて、小さな拳が軽く当たり、沈黙が終わった。
馬車の屋根の下から、客が行ってくれと送ってくる合図よりはずっと親密なノックだった。
「いつまでぼぉっとしてるのよ、馬鹿言ってないで行くわよ」
鼻声だったが、何もなかったかのようにミハイに並び、出口に向けて歩を進めるデイジーだった。
ミハイに従って、もう少し先を見るつもりでいるらしかった。
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魔音@GMより:
地下礼拝堂を後にします。
この神殿パート6-A3-Xは、6-A6-X(合流用に)に続きまする。
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