タイトル | : 神殿の役に立てれば… |
投稿日 | : 2015/07/13(Mon) 00:57:45 |
投稿者 | : エリシア |
参照先 | : |
領主さまのご厚意で、わたしたちは夏至の祭りまでの滞在を認められた。
せっかく、温泉の宿主の方々からもお誘いをいただいたのだ、少しくらいの休息は取っても構わないだろう。
いつの間にか、わたし達一行は『霧の英雄』などと呼ばれ、歓待されたものだった。
―・―・―・―・―・―
そんな合間を抜け、私は時間が許す限りアウレリア神殿に赴き、メリダさんの補佐をすることに専念した。
今回の件では、マーファさまの一派と思われていた集団が、実は破壊の女神と繋がっていたことがわかっている。
このような事実を持ち帰っては、メリダさんを初めとする管主の方々や、
神殿の神官たちにも動揺が走っていることだろう。
また、実際にどれだけの数が存在しているかわからないが、
野の女神の諜報者としてアウレリア神殿に潜入している者もいるだろう。
滞在期間が許す限りは、神殿内の混乱の終息に協力し、また数日後に予定されている
夏至の祭りについての協力も惜しまなかった。
祭りの当日は、管主さまが神々に捧げるために調合した飲み物が、一般の皆さんにも振舞われた。
わたしはそれを求める参加者たちに手渡す作業を手伝っていた。
この飲み物は相当苦みが強く、大の大人でも一口飲むのがやっとだったりする場合も多い。
子供が相手の時は、甘みのあるドリンクの中に少量だけ混ぜて提供する。
中には物好きな人物もいるようで、シュタールさんはストレートのまま飲み干してしまっていた。
―・―・―・―・―・―
祭りの最終日には広場で大きな焚火が行われ、町の人たちが楽しそうに歌い、踊っている。
わたしはそんな光景を、少し離れた場所で見つめながら、胸の中でマーファ様に祈りを捧げていた。
どうか、この街が平穏な日々を過ごせますように…。
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@PL
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