タイトル | : 4-4-2 墓場の違和感(5/27 11:05更新※) |
投稿日 | : 2015/05/25(Mon) 15:22:46 |
投稿者 | : 魔音@GM |
参照先 | : |
>「…という事らしいですわ」
クロエが披露する墓の話に、
「クロエさんって、何でも知ってるみたい」
学院の教授にクロエさんみたいなひとがいたらなぁと、感心した様子のアコニは、
「まるで人間は、お墓を作ったことで、獣たちの世界から離れたみたいですね」
そんな感想を口にした。
◆
>「慈悲深き神、慈愛なるマーファよ、
>久しく安らかにある事を…鳥は空、魚は海、全てあるべき所へ等しく正しく導き給え」
黒髪の依頼人は、しゃがんだままクロエの顔を見上げ、
「ありがとう、ございます」
クロエに、あるいは神に、またその両方に、囁くように礼をした。
そして、流れた涙をそのままに、また祈りに戻った。
◆
アコニの祈りは、そう長くは続かなかったが、鳶が輪を描くのに飽きる程度の間はあった。
その間、クロエは、目の前で葬られているのであろう、ベイリーの事で、記憶にひっかかることを思い出していた。
ベイリー・ヴァーレイト。若き剣術家として知られていた彼は、学院で魔術師を目指していたことがあったが、才能がなく、魔術師の道は早々にあきらめている。
加えて、学院つながりでオゴフの領主家について思い出すことがあった。
新領主は、元アウレリア神殿の司祭でオクスタム・ズレット。その先代の領主はセータル・ズレット。セータル・ズレッドには、オクスタムの上に一人子がいて、名をエドニと言った。
エドニはやはり学院で学んでいた。先代のセータルが魔術師であった為、幼い頃から学ばせていたらしい。けれど結局、エドニの魔術師としての才能は開花しなかった。そればかりか、病を得て領地に連れ帰られ、廃嫡となっている。以来、荘園の施療院で生活をしている。15年以上も前の話だ。
そしてもうひとつ──。
ラキアードは、依頼人であるアコニが、目の前で祈りを捧げている墓こそが、彼女の兄、ベイリーのものであることを知識では知っていたはずだ。
なのに、父親が眠っているものと勘違いをいつの間にかしていた。
12歳離れた兄妹のことだ。ベイリーはアコニにとって、父親代わりであった可能性はある。
でも、ラキアードがふと感じた違和感は、そこに端を発しているわけではなさそうだった。
──ギッと、なにかがこすれる重たい音がラキアードとクロエ(※追加)の耳に入ってきた。
感じていた違和感が、同じ方向からした。
次いで、バチンと何かが割れる音がした。
そんなラキアードとクロエの目が、刹那、交差したかもしれない。
二人の知覚が、その墓標の文字に触れたのだった。
『グラント・ヴァーレイト』
やや離れた墓標に、そう刻まれていた。
不吉なモノを見つけたように、三人の頭上で雷が一度鳴り響いた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
魔音@GMより
※5/27 11:05更新 『ギッと、なにかがこすれる重たい音が』の音を、クロエさんも聞いているので追記しました。予備ダイス分で判定できていたのを書くのを忘れてました。すいませんー;
おまたせしました。こっちはカウントダウンっ。
dodo@クロエさんと、はんく@ラキアードさんは、セージの知識判定をお願いします。
ベルナデットとか、元ネタ的な意味できてるかも( ・`ω・´)o彡゜とか、嬉しい悲鳴を上げている魔音です。
あと、はんく@ラキアードさんには、ひょっとすると申し訳ない気もしましたが、あまりにクリティカルすぎて、日記の勘違い(?)部分をそのまま使わせて頂きました。
補足すると、アコニが今訪れているのは、ベイリー・ヴァーレイト、即ち5年前にこのオゴフの街で死んだ、兄の墓です。
グラント・ヴァーレイトは、15年前に殺されたとされている、アコニの父親の名前です。お墓がこの地にある事は、キャラクターたちは、聞いていないはずなのでした(アコニもそんなそぶりはありません)。
んが、ラキアードせんせってば、無意識のうちに見えていた感じだったので、ストーリー展開としても乗っかってみた次第です。
探偵的に、より長期的な展開を見通している感じが、クロエさんの幾つかの台詞からも出ている気がするんですが、こっちにも魔音はwktkしておりまする(*゚∀゚)-3
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