タイトル | : 懐かしい顔。 |
投稿日 | : 2015/05/27(Wed) 08:01:04 |
投稿者 | : エリシア |
参照先 | : |
>「オランの神官殿でしたか」
>「これは失礼。当神殿に馬でお越しの巡礼というのも、あまりないことでして。何か別のご用があったのかとお伺いしたまでのこと。
> 無論、礼拝のためにマーファ様への紹介状が必要であるはずも無く、祈りを捧げるだけであれば、結構でございます」
パネと名乗った男性神官の態度には、ある種の感情が見え隠れしているように思う。
羨望、嫉妬、妬み…そういうものを感じるが、それだけではない何かも同時に感じとれた。
わたしの一定な対応に、相手が苛立ってくるのがわかる。
辺りを見れば、こちらに関心を示している人々もいる。
事態はわたしにとっては好転していると言ってよいだろう。
結局、パネ神官の方が折れて、中への案内を許可しようとしている様子だ。
ひそひそと、別の神官に耳打ちしている様子などは、とても慈愛の女神マーファさまの使徒とは思えない、剣呑なものだったが。
>「それが、同門の神官に対する態度なのですか? それに、あなたの行為は越権です」
凛とした声に、そちらを見るとスラリと背の高い女性神官がやって来ていた。
1年ちょっと前頃に異動になった、修行仲間だった。
突然の再会に驚いていると、彼女に腕を取られてその場から引き剥がされた。
―・―・―・―・―・―
>「“あ、エリーじゃん”って思ったら、タコとじゃれあってんの、だっせー。ウツボかっての」
「…1年と少しぶりの再会なのに、いきなりウツボ扱いですか?
変わりませんね、メリダさん。
あ、でも髪が伸びて印象は変わりましたね。
それに…また、背が伸びていませんか?」
彼女にハグされながら、久しぶりの旧友の背中をぽんぽんと叩く。
>「ってかゴメンね、折角来てくれたのに。あのハゲ。そのうち前歯の100本くらいは叩き折っといてやっから」
「まぁ。
マーファさまは争いをお望みにはなりませんよ。
先ほどはわたしも、“自衛のために”彼と戦いましたけれど。」
礼拝堂に向かう緩やかな坂道を登りながら、わたしもそんな軽口を叩く。
お互いに離れていた間の簡単な報告や世間話などをしていたが、ふと先ほどの状況についての疑問が口をついた。
「しかし…。
一体この神殿はどうなっているのですか?
あのような方が大きな顔をしているだなんて、マーファさまの神殿としてはあまり好ましくないように、わたしは思いますけれど。」
こちらは顔には出さないように努めたが、気分は最悪だった。
これまでの自分だったなら、小言のひとつやふたつでは足りないくらい説教していただろう。
冒険者としての生活が、わたしの中で多少の融通のきかせ方や、相手の様子を伺うという力を養ってくれているのを実感する。
「それに、マーファ神殿では武装している者がいるのは不自然ではありませんけれど、その数が妙に多いように見受けられます。
…何か、あるのですか?」
メリダさんの顔を見上ながら、わたしは尋ねる。
坂道を登っているので、彼女の顔を見るには背丈の差以上に見上げなければならない。
「実はわたしも、ある依頼のもと、ここを訪れたのです。
神殿から口利きをお願いしようと思ったのですが、この状態では難しそうですね…。」
ため息をひとつ吐く。
―・―・―・―・―・―
礼拝堂に到着する。
この、自然と厳かな気持ちになる空間が、わたしは好きだ。
心が落ち着き、同時に身がひきしまるような思いがする。
わたしは、マーファさまの神像の前に跪き、頭を垂れて祈りを捧げる。
先ほどの自らの行いについての懺悔と、今回の依頼についての葛藤をマーファさまの前で報告し、依頼人であるアコニさんの今後の幸せを願う。
マーファさま、どうかわたしに進むべき道を教えてください。
どうか……。
どのくらいそうしていただろうか。
顔を上げると、メリダさんは変わらずにそこで待ってくれていた。
相変わらず祈りが長い、とまた怒られるだろうか。
「メリダさん、事情は先ほど簡単にお話しした通りです。
もしできれば、落ちつける場所でゆっくりと相談できませんか?」
覚悟は決めて来た。
ならば、わたしは依頼をきちんと終了させることを考えなければならない。
まずは領主への紹介が取れるかどうかだ。
更にここへ来てからの違和感の正体を探らないと。
この土地で事を構えなければならない以上、神殿は切っても切れない重要な場所になると考えられる。
内部に協力者を作っておくことは、プラスになるはずだ。
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@PL
マーファさまにお祈りしながらディビネーションです。
(こういうシチュエーションで使わないともったいないじゃない、というのかPLの本音)
メリダと別室などで相談できるなら、アコニの両親や兄の話を聞きますが、歩きながら話すのは
・パネみたいなのが大きな顔をしている、今の神殿の状況
・武装した人物の多さに関する疑問
・領主に取り次いでほしいという意思をちらっと見せる
の三点です。
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