タイトル | : 4-3-8 もうひとつの後悔の形 |
投稿日 | : 2015/06/04(Thu) 16:20:17 |
投稿者 | : 魔音@GM |
参照先 | : |
> 「爺さん、その手紙の差出人は?
> 誰から手紙を預かった?」
男は、無論その質問が来ることは判っていた様子だった。
手にした杯に目を落とし、決心をしたように息を吸い込む。
けれど、肺に溜められた空気は、力なく吐き出されるのだった。
差出人を明かすことの重みは、彼自身が思っていることより大きいのだろう。
ストレイはその時、一人の少年が、ファイナックの傍らに立っているのに気づいた。たった今までは、気配すら無かったものだった。
利発そうな目をしていた。まだ柔らかそうな、くせのある黒い髪を短く刈っている。市井の少年たちが着るような、麻の上着に膝丈のパンツといった服装で、背中に背負った二本の木刀が印象に残った。
肌が透けるほどに白すぎることが気になるが、確かにそこに居て、ストレイの目を覗き込むように、見上げてきている。
「手紙の差出人は、サンニームのヒーラー・ゴーク」
そう言ったのは、ファイナックだったか、その少年だったか。ストレイの耳には、次の瞬間、そう聞こえた。
あるいは、それは実際に空気を揮わせる音で伝わったものではなかったかも知れない。
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魔音@GMより
プチイベント的に少年が登場しました。今のところ、その姿が見えているのはストレイのみといった感じです。
手紙の差出人を、ファイナックか少年のどちらかが明かしております。
リアクションとりにくいかもですが、どぞぞ。
このあと、男は立ち去ることになるかと。
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