タイトル | : 4-3-11 観察 |
投稿日 | : 2015/06/05(Fri) 03:18:07 |
投稿者 | : 魔音@GM |
参照先 | : http://dorotora.com/wforum/wforum.cgi?no=128&reno=57&oya=54&mode=read&page=0 |
> 「ええと、まずは2人で」
「そうしまショウ♪」シュタールは席について、飲み物と籠の中の珍味に手を伸ばす。
かくしてハトハは、男の観察を始めた。
男は、エールの入ったジョッキを片手に席に着いていたが、落ち着かない様子でしきりに貧乏揺すりをしていた。
周囲のざわめきの中、顔をしかめて必死に集中をしているようだ。
けれど、本人の努力は上手くいっていないようで、顔が段々傾いてくる。傾ければ傾けるほどに耳が聞こえるのだと言わんばかりだ。
ハトハの目には、ストレイが、少し向こうで初老の男を呼び止め、あらためて席に座らせることに成功したのが見えた。
それを監視する男の顔が、より必死になる。そして掻くふりをしつつ右手を耳にあて、さらに体を傾けた。
そんなハトハの肩に、トンと何かが当たった。
シュタールの頭だった。うっすらと、香水の花の香りがした。
男の必死さに釣られて、彼女も傾いていたらしい。
「あ、ごめん。でも、ハトハちゃんの肩、気持ちいいね」
放っておくと、そのままハトハの肩を枕にじっとしていそうだった。
男は、さすがにその体勢を維持するのには骨が折れたのか、耳に当てた右手の肘を、テーブルに載せた。
載せたところでいきなり首がガクンと落ちた。
瞬時に眠気が襲ってきたらしい。
男は、聞き耳を立てながら、眠気と戦い始めている。
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魔音@GMより
ストレイを観察する男を観察する依頼人B的な図。
【4-3-10 六つの瞳】(参照先)と同時進行でっ。
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