タイトル | : 6-A0-1 荘園 |
投稿日 | : 2015/06/18(Thu) 07:50:52 |
投稿者 | : 魔音@GM |
参照先 | : |
「初めまして、メリダと申します。どうぞよろしくお願い致します」
マーファ神官の正装に身を包んだ赤い髪の神官が、洗練された所作で挨拶をした。
「来てくれてありがと」エリシアに感謝の言葉を口にし、
紹介してよと彼女は小声で言って、
「今日は、エリーをちょっとお借りしますね」
一行には悪戯っぽい微笑みを浮かべた後、簡単に自己紹介をした。
◆
2人の侍祭を伴ったメリダと合流した一行は、ゆるやかな丘陵帯を進んでいく。
「神官として行動されたければ、神官服の一式を用意していますので、よろしければお貸しします」
冒険者というのはそういうこともするのだとか? と、管主の言葉を借りてメリダが言った。
シュタールに渡されたアシナート商会の代理人として。もしくはアウレリア神殿の従者として行動が出来そうだった。
◇
緩やかな丘の斜面には、晴れた日であればオリーブの畑を眺めることができただろう。霧の向こうに、木々の影が微かに見えた。
石灰岩が露出する丘の間を、縫うようにして進む道の両脇に、糸杉が植えられているのが判る場所にさしかかった。オゴフの街から半時ほど進んだところで、辺りは人の手が入った土地になった。
一行は、やがて白壁の屋敷の前に到着した。
その背後には、付随する建物群が控えているようだ。
◆
「あいにくの天気ですが、ようこそおいでくださいました。ローザと申します」
年の頃30半ばとみられる案内役の女性が、挨拶を寄越してきた。灰色の髪を後ろでまとめていて、さっぱりとした動きやすそうな服装をしている。唯一の装飾品として、首にはマーファの聖印をさげている。
彼女は、自分がサンニーム荘園における領主家の代官補佐であることを名乗った。この地に来て、4年目になるとのことだ。
「代官は今空位となっていて、実質のところは自分が任されており、滞在中はできる限りのことは致します」と話した。
もっとも、自分の権限が及ぶのは、この建物を中心とした荘園の中心地に限るのですれど。と、苦笑いを浮かべて補足したものだった。
ローザは、正面の大きな建物を本館と呼び、よければ軽食を用意していると、一行を招き入れる。そして、慣れた口調で荘園の簡単な説明をした。
建物群は、今いる本館を中心とした一帯と、ちょうど三角形の頂点を成すような別の2群の、計三つに大きく分けられるとのことだった。
中央の最も大きなそれは、荘園の中心地で、今いる赤い屋根の建物、労働者たちの家々や、製薬工房をはじめとした作業所、各蔵が集まっているらしい。
エストン山脈のある北方を正面にとらえたときに、右手に見えるのは、色とりどりの花が植えられた斜面に建つ、緑の屋根の尖った建物だとローザは話す。
“施療院”の丘であるとのことだった。
晴れていれば、その眺めは大変綺麗で、今見ることができないのは残念です。と補足する。オランの街中でも見られそうな、新しい建物であるとのことだった。
施療院は、“野の女神”と自らを名乗る、マーファ神官たちが主になって運営していて、荘園は前領主の遺言に従い、経済的な支援を行っていると説明した。
ただ、そんなローザの説明は、外から見たものに終始した。
左手には、古い石組みの上に建つ大理石の列柱と、それよりは比較的新しい建物が見られる。とのことだった。
“サンニーム神殿”の丘であるとのことだった。
正直、施療院ほども訪れた回数が少なく、輪をかけて詳細はわからない。と話した。
また、僧房となるこじんまりとした建物が、寄り集まっている旨を説明する。
ただ、木造の美しい女神像には、機会があればぜひ参拝して行って欲しいと話した。
一通り説明したところで、ローザに、「到着されました」と報告があがってきた。
冒険者たちも、窓の外に屋根付きの馬車が到着し、面覆いをした白衣の者たちが降り立ったのを見たかもしれない。
◇
メリダは、この本館の建物内で、マーファの一派を名乗る、“野の女神”の神官たちと会見するとのことだった。
「皆さんはどうされますか?」
メリダは一行の予定を聞いて、この後すぐの会見に臨むつもりであるようだった。
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魔音@GMより:
荘園に到着でっす。
ミハイ、ストレイ、エリシア、クロエの4人は、荘園での行動を宣言して下さいませ。
なお、本館での行動は、この下にレスを入れて下さると、わかりやすいかなぁとイメージしてますが、僕もあちこち枝をつけてみますので、色々試して下さいませー。
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