タイトル | : 6-A4-3 みずしらずの‥ |
投稿日 | : 2015/07/02(Thu) 14:06:41 |
投稿者 | : 魔音@GM |
参照先 | : |
一陣の風のように、クロエは来たり、去った。
残されたエドニは、毒気を抜かれたかのように暫し呆けていたが、気を取り直し、時間をかけて水差しを手に取った。
結局、エドニの握力では、それを完全に持ち上げることは叶わなかった。
水差しは彼の手から滑り落ち、甲高い音と共に水も撒き散らして割れてしまった。しかし、その痩けた頬には、満足そうな笑みが広がった。
「父上、私の手には何も残りませんでした。
……けれど、何もなくなってしまうと、かえって楽になるものですね。
みず知らずのあの女性は、クロエと名乗りましたが、我々の滅びを告知する天の使いだったのでしょうか?
あるいは、最後に幸運をもたらす若葉、なのでしょうか」
エドニは、クロエの残していた月と鎌、あるいは芽吹いた若葉を思わせるマーファの聖印に触れながら、殺風景な部屋の中で呟いた。
刹那、部屋の片隅で影が蠢いた。あるいはそれは、聖印に反射した、鈍い光のもたらす幻視だったかもしれない。
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魔音@GMより:
即興リリックまでktkr( ・`ω・´)o彡゜
クロエさんは、連れてきた馬を使って城館『6-B』に駆けつけることが出来ます。
直前段階からの参加をどぞぞ。
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