タイトル | : 6-A5-1 自滅 |
投稿日 | : 2015/07/05(Sun) 13:37:32 |
投稿者 | : 魔音@GM |
参照先 | : |
ストレイとエリシアの追跡を、ひとまず振り切った男は、施療院のすぐ近くの林の中で馬を乗り捨てた。そして、頭巾を目深に被りなおし、病棟の一つへと足を運ぶ。
辿り着き、追っ手の気配はもう背後に迫ってないことを確認すると、荒い息を抑えて自らに癒やしの魔法を施そうとした。
しかし、どういうわけか、仮初めの女神は応えてくれなかった。
癒やしの希望は、干上がった井戸の底に落ちる水桶のように、砕けたのだった。
そんなはずはないと、男は早鐘のように打つ心臓を抑えるべく、胸を鷲掴みにする。
けれども、なにも変わらなかった。むしろ、刻一刻と事態は悪化しつつあるようだった。
本館で受けたマーファ神の拳と、鋼の刃による斬撃の痛みが、噴出する頭痛と一緒に男を襲った。
男は膝を屈し、
「これは……、どういう、ことですか?」
辿り着いた部屋の主に問いを発した。
「それは、あなたのおかれた状況についての問いか? あるいは、私の症状への疑問か? もしくはその両方か?」
エドニは、訪問者に応じて口を開いた。
「あなたと父の偶像は、毀れたようだ。
もはやその奇蹟が、あなたを救うことはないだろう。古代の魔術師たちが、似たような境遇に陥ったと文献は伝えている」
「そしてこの私はといえば、マーファ神の使いのおかげで、あなた方の霊酒を口にする機会は、結局なかった」
クロエのもたらしたマーファの聖印が、その手には握られている。
「年貢の納め時のようだ。私も、そしてあなたもね、アイシス」
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魔音@GMより:
お騒がせしましたが、アイシスは、エドニの部屋に辿り着いて倒れました。
エリシアとストレイに叩き出されたところで、ミハイの破壊工作で補給源を絶たれた格好です。
これで、荘園と施療院、神殿方面は、一足先に収束する感じです。
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