タイトル | : 剣術師範の女性 |
投稿日 | : 2015/04/30(Thu) 20:38:00 |
投稿者 | : ハトハ |
参照先 | : |
トントンと階段を降りると、ちょうどジョージのおじさんが掲示板に新しい依頼を貼っているところだった。
『復讐の手助けを求める』。
そんな、今まで見たことがなかった内容の依頼だ。
「復讐?」
誰が誰かを憎んでいる。それの手助け。
と言うか、どちらかと言うと私は復讐される方だった。
>「よかったら、話を聞いてみねぇか?」
ジョージのおじさんが言うには、その依頼人は剣術師範らしい。
実力はありそうなのに、それでも手助けが必要な復讐なのか。
報酬は空っぽの財布しかない私には中々だと思えたし、行ったことのない場所だったから興味もあった。
道中の必要経費は出してくれると言うし、うん。
>「復讐って聞くとぎょっとするかもしれねぇが、イタレリツクセリじゃねぇか。な、な?」
「うん、分かった。話は聞いてみる」
だから、私はそう答えた。
◇ ◇ ◇
依頼人は女の人だった。
動きやすそうな格好をしているけれど、剣術師範と聞いてごつい男の人を想像していた私にすればびっくりだ。
>「アコニ・ヴァーレイトと申します」
>「こちらはシュタール。わたしの後見を務めてくれます」
>「シュタールです。どうぞよろしくお願いします」
「ええと、ハトハです。」
すごく綺麗な礼をされて、慌てて私もぺこりと頭を下げた。
礼儀作法なんて知らないから、勘弁してほしい。
>「仇の相手というのは、騎士だったわたしの両親を殺害した同僚の男で、剣の腕は立つと聞いています。
> でも正直のところ、わたしには、仇についての記憶がなく、幾つかの情報が手元にあるのみで、その情報も、15年よりも前のものになります。
> わたしの仇討ちは、そんな相手へのものなのですが、どうか皆さんのお力を貸して頂きたいのです」
「あの、質問しても良いですか」
右手を顔の横に上げて、アニコさんの返事をまつ。
質問しても良いと言われたら、聞いてみよう。
「どうして、今になって復讐しようと思ったんですか?」
そんな事を。
あと、依頼を受けることになったら、道中で手合わせして貰えないかなってことも。
―――――――――――――――――――
P柑橘より
一番槍貰ったぁ!!
- WebForum -