タイトル | : 6-A3-5 ダウンダウンダウン |
投稿日 | : 2015/06/25(Thu) 11:32:27 |
投稿者 | : 魔音@GM |
参照先 | : |
煤けたニームの像をごしごしこすると、石の地色がなんとなく判別した。
木炭のような暗灰色の石だった。
くっつくようにしてミハイに見られ、顔を真っ赤にして硬直するデイジーだったが、おかげでミハイは宝石の品定めができた。
卵形の宝石で、何らかの魔力がこもっているような臭いがする。古く、それなりの価値もありそうだった。
> 「こいつが秘策?ふうん。
> なんだこれ?」
> 「まあ秘策だってんだから、しっかり頼むぜ。
> とりあえずオイラが先頭を行く。
> 明かり貸せ。離れるなよ。
> 足跡は出来るだけ残すな」
「……ちっ、ちかい!」
小声でやっと絞り出した声が、その返事だった。
ミハイは、デイジーにドーンと突き飛ばされて、階段の下へと続く闇の中へ、ゴロゴロと転がり落ちていった。
◆
ミハイは、気づくと誰かに膝枕をされ、丘の上の木陰の下で横になっていた。
アコニを思わせる黒髪だったが、彼女の小麦色の肌よりは、さらに褐色がかった肌の女だった。
身に纏っているのは、原色が散りばめられた鮮やかな衣装で、街の人間のものよりは、遊牧の民に近いものだった。
女の纏う装身具のひとつに、デイジーが持っているのと同じ赤い宝石があった。
空は晴れ渡り、青空が目に眩しい。心地よい風が吹いていたが、地平線には、不吉な色をした雲がぽつぽつと湧き出していた。
風景は暗転し、一転して地の底のような、松明の篝火だけが踊る部屋の中に居た。
先ほどの黒髪の女が地面に倒れていて、武装した男たちが周囲を取り囲んでいた。胸元から流れる血が、女の赤い宝石の色を一層鮮やかに染めているかのようだった。
宝石は、無骨な手甲に覆われた出て引きちぎられ、女の胸元から離れた。
ミハイは、それが夢だと気づいた時、デイジーの膝枕で横になっていた。
天井は石でできていて、どこかの玄室のようでもあった。
デイジーが心配そうな顔をしている。
「ミハイ、大丈夫? あたいのこと判る? それ以上バカになってもあたいが責任とるから」
涙を浮かべ、やや錯乱してよくわからないことを口走っている。
デイジーの首からかけられた赤い宝石が微かに光っていることにミハイは気づいた。
ゆっくりと明滅を繰り返すその様は、心臓の鼓動のようにも思われた。
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魔音@GMより:
虎パンチ&道案内ありがとうございます!(演出ノーダメージです:ぉ
仕込みがあって、ジリジリ進行なんですが、日程的にも、明日にはもう少し進めようと思ってます。
> 石ってのは手のひらで叩くのにちょうどいい材質だ&ゴシゴシ
像を拭いてあげるところ、かなりツボに入りましたww
[女神像].。oO(解せぬ!
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